電気工事士の平均年収ってどれくらい?電気工事士としてのキャリアアップのポイントの紹介!

電気工事の現場で、電気設備の工事や取扱いをするには、国家資格である電気工事士の取得が必要です。電気工事士は業務独占資格であり、電気工事士のみが工事の施工を許可されているものも多いため、需要が高まっています。


電気工事士として仕事をする時に、平均年収やキャリアアップへの方法などが気になるのではないでしょうか。今回は、電気工事士のキャリアについて詳しく解説します。電気工事士の資格を活かして、キャリアアップを目指している方は、参考にしてみてください。




■そもそも電気工事士とは?



電気工事士とは、電気工事に関する代表的な資格であり、電気工事士法という法律によって資格や義務が定められています。建物や設備で、電気を安全に利用できるよう、設備工事・管理・メンテナンスなどを行います。


電気工事士の仕事内容は、主に建築電気工事と鉄道電気工事のふたつに分けられます。建築電気工事は、住宅・工場・事務所・ビルなど、さまざまな建物で電気が使えるよう、屋内外の配線工事や冷暖房設備の工事、ビル管理などを担います。鉄道電気工事では、インフラのひとつである電車が安全に運行できるよう、電気設備点検・メンテナンスおよび架線の張り替えなどが仕事内容です。


電気工事士の資格は、「第一種電気工事士」と「第二種電気工事士」の2種類に分かれています。第一種電気工事士の方が、工事可能な範囲が広くなりますが、電気工事士として仕事をするには、少なくとも第二種電気工事士の資格取得が必要です。




■電気工事士の年収の平均は400万~500万円



厚生労働省が発表した、「令和3年賃金構造基本統計調査」の結果を見ると、電気工事士全体の年収は、およそ400万円から500万円程度が目安となっています。男性の電気工事士の平均年収はおよそ462万円、女性はそれよりも少し低い金額です。



・現場の規模・経験・資格などで大きく変わる?


上記で紹介した平均年収は、電気工事士全体の平均年収です。第一種と第二種を比較すると、工事範囲が広がる第一種の方が、高い年収が見込めるようになります。


その他にも、年収が変動する要因として、所属する会社および現場の規模、仕事内容、勤務地、自身が保有する経験や資格などが関係してきます。この中で、経験や資格は自ら取得していくものです。未経験で電気工事士の仕事に就職もしくは転職しても、経験を積んだり資格を取得したりすることで高収入が期待できます。経験年数が長くなるほど、給与や年収が増えるのはこのためです。


先ほどの「令和3年賃金構造基本統計調査」の結果をもとに、経験年数別でみた電気工事士の平均年収を算出したところ、以下の結果となりました。


未経験…280万円

1年から4年…347万円

5年から9年…411万円

10年から14年…462万円

15年以上…544万円

(年収は、「所定内給与額12か月分」の数値に「年間賞与その他特別給与額」を加えて算出しています)


上記の数値から分かるように、未経験から電気工事士の仕事を始めた人でも、15年以上の経験により年収が2倍近くになるのです。未経験だからといってできない仕事ではなく、頑張り次第で年収アップが見込める仕事です。




■電気工事士のキャリアは主に3つに分類される!



電気工事士としてのキャリアは、主に3つの段階で経験を積むことでステップアップできます。それぞれのキャリアで、どのような業務を行い、どのくらいの年収が見込めるのかを見てみましょう。



1.見習い


入社してからしばらくの間は、先輩社員のもと電気工事補助員として仕事をします。作業の補助を通じて知識や技術を身につけ、仕事を覚えながら経験を積んでいく段階です。同時に、資格取得のための勉強も必要な時期です。


見習い期間の年収は、250万円から350万円程度が目安です。一人前になるまでは年収が低めですが、キャリアアップを目指して地道な努力が求められます。近年では、電気工事の需要の高まりに対して人手が不足しており、工事に携わる人材の年収に上昇傾向が見られます。



2.一般社員


仕事をひと通り覚えて見習いを卒業し、一般社員になると、年収が300万円から500万円程度にアップします。見習い期間で身につけた知識や技術を生かし、一人前の電気工事士として働きます。


現場での主戦力として欠かせない存在になるほか、高いスキルや知識を持っていると、見習い社員の指導に入ることもあります。



3.責任者


一般社員を経て現場の責任者に就任すると、400万円から600万円の年収が見込めるようになります。責任者として現場の指揮をとり、監督業務にあたります。部下を束ねて安全管理をしたり、工事の進捗状況を監督したりと、大きな責任を伴いますが、仕事内容に見合った収入が期待できます。




■資格の取得でキャリアアップ!



資格の取得を通じてキャリアアップを目指すには、以下のステップを踏むと効率良く進められます。目標に向けて、1歩ずつ取り組んでいきましょう。



・第一種電気工事士の資格を取得する


先ほど、電気工事士の仕事は、第一種の方が高い年収が見込めると解説しました。これは、第一種電気工事士が、第二種電気工事士の上位資格にあたるためです。


第二種電気工事士の仕事可能範囲は、600V以下の低圧で受電する設備工事です。一般住宅・小規模のオフィスおよび工場・家庭用太陽光発電設備および燃料電池発電設備などに関する設備が該当します。


第一種電気工事士は、第二種電気工事士の仕事に加え、最大電力が500KW未満の施設工事に従事可能です。大規模施設や公共工事、インフラ関連の仕事などが該当します。


キャリアアップを目指すのであれば、第一種電気工事士の資格取得が必須です。



・関連資格を取得する


キャリアアップの次の方法は、関連資格を取得することです。関連資格には3つありますので、簡単に説明します。


ボイラー技士は、高温の蒸気や温水の供給設備であるボイラーを取り扱うための国家資格です。一定規模以上のボイラーに対して、運用・管理・保守・点検などを実施し、室内の空気や温度を適切な状態に保つ仕事です。


危険物取扱者は、消防法で規定された危険物(石油類・ガソリン・金属粉など)の取り扱い・管理を許可する国家資格です。危険物を扱う工場やガソリンスタンドでは、危険物取扱者の資格保有者が必須となっています。


電験三種は、正式には「電気主任技術者試験」という国家資格です。電気設備の保守・監督を目的とした資格で、資格保有者は電気のスペシャリストと呼ばれます。事業用電気設備の保安監督は、電気主任技術者の独占業務に定められています。



・経験・キャリアを積み重ねる


電気工事士の仕事を通じて年収を上げるには、経験やキャリアの積み重ねが重要です。現場経験を積むことで、現場や作業内容に合った臨機応変な対応ができるようになり、数多くのスキルも身につくため、どの職場でも歓迎されます。


神奈川県高座郡で電気工事を請け負う株式会社エビスでは、資格取得支援制度を設けています。試験に合格し資格を取得したら、受験料を全額返金するほか、資格取得後の昇給制度も完備しています。キャリアを積みたい社員へ、会社を挙げて応援しています。




■電気工事士としての具体的なキャリアステップは?



電気工事士としてのキャリアが3つに分類できると先述しましたが、さらに詳しく分類すると、以下の流れとなります。


・1年目:電気工事補助員(見習い)


現場の雰囲気に慣れ、主に電気工事作業の補助業務を行います。同時に、第二種電気工事士の資格取得を目指して勉強し、資格取得後は電気工事士が担う仕事もできるようになります。



・2~3年目:一般電気工事士(現場補助者)


見習い期間が終わると、工事責任者の補助者として動き、定型業務を担当します。施工図の読み方や、作業の工程・方法などを覚えます。認定電気工事従事者の資格取得を目指したい時期です。



・3~5年目:電気工事士(小規模工事の責任者)


小規模工事の工事責任者・大規模工事の工事責任者補佐として施工可能です。仲間と協力し、施工図を読みながら、確実な施工が求められます。第一種電気工事士を取得すべき段階であるほか、2級電気工事施工管理技士も取得を目指したいところです。



・5~8年目:主任電気工事士(中規模工事の責任者)


5年目を過ぎた頃から、中規模工事の責任者を目指せます。現場に合った最適な施工方法を選択し、電気工事に関わる全ての作業ができるようになります。1級電気工事施工管理技士の資格を目指す段階です。



・8~14年目:工事班長(大規模工事の責任者)


8年目を過ぎると、大規模工事現場で工事責任者に就任できます。応用的な業務も担当するようになり、同僚や部下の模範となる成果が求められます。これまで紹介した資格を、できるだけたくさん取得しておきたい段階です。




■電気工事のキャリアパスには「技術職を極める」と「管理職・経営層を目指す」の2つがある?



電気工事でキャリアパスを目指すには、自分の腕を磨いて技術職を極めるか、もしくは管理や経営に関わるキャリアを目指すか、どちらかから選択することが多いです。


電気業界を含むものづくりの分野では、管理職というポジションに興味がなく、ものづくりを限界まで追求したいと考えている人も少なくありません。技術職としてのキャリアを積むことで、主任技師や主管技師などの役職を目指せるようになります。


電気業界では、基本的にどの職種でも昇格や昇給などのキャリアアップが可能であり、キャリアパスの一つとして管理職や経営層も目指せます。ただし、実際にキャリアアップできるのは、ひとにぎりの人材と言われています。


株式会社エビスでは、電気工事士としての腕を磨き、自分のスキルを高めたい人を募集しています。資格取得に対するサポートも万全に整えておりますので、興味のある方はぜひお問い合わせください。



【その他の記事】

「電気工事施工管理技士ってどんな資格?取得のメリットをご紹介!」

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「EVコンセントは今のうちに設置を!EV充電設備の種類やメリット、設置する際のポイントを紹介」

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