高圧受電設備、キュービクル式高圧受電設備の基礎から法令点検までもカンタンに解説!

工場やビルなどの電気設備は、電力会社から供給される高圧電力を安全に利用するために、高圧受電設備が必要です。しかし、高圧受電設備には感電などのリスクも伴います。そこで今回は、高圧受電設備の種類とメリット・デメリット、そして安全に利用するために必要な法定点検について詳しく解説します。



■受電設備って何?



受電設備は、電力を供給するための施設や装置の総称です。一般的には、電力会社から送られてきた高圧電力を低圧電力に変換し、建物や施設に配電するための機器や設備を指します。受電設備は、安全性や効率性が非常に重要であり、適切な設置、保守、点検が必要です。

受電設備は開放式とキュービクル式があります。


・受電設備のメリット・デメリットを解説!


受電設備には、大きく2つの種類があります。


・開放型受電設備: 高圧機器がむき出しになった状態の設備

・キュービクル式受電設備: 高圧機器が金属製の箱の中に収納された設備


・開放型受電設備のメリット


開放型は機器が露出しているのに加えて広いスペースに設置されることから、目視点検やメンテナンスが簡単なのがメリットです。スペースに余裕があれば増設も簡単に行えます。設置費用が比較的安いことも魅力です。


・開放型受電設備のデメリット


開放型は広いスペースを必要とするのに加え、現場で組み立てる関係上、品質が工事担当者の腕前に左右されるという問題もあります。さらに、充電部が露出しているので感電リスクがあることが安全性を懸念される理由です。直射日光・風雨・塩害などによる故障リスクがある点にも注意しなければなりません。広いスペースだと保守管理に手間がかかることも懸念点でしょう。


・キュービクル受電設備のメリット


キュービクル式は、金属の箱に機器が収められているので感電のリスクが低く安全性が高いことが最大のメリットです。環境の影響をあまり受けないので故障もしにくいこともメリットに挙げられます。機器がコンパクトに収まっているため、広いスペースも必要としません。さらに、あらかじめ工場で組み立てたものを設置するので品質が安定しており、工期が短く済むためコストも抑えられます。スペースが狭いので保守管理も容易です。


・キュービクル受電設備のデメリット


キュービクル式は、先に工場で組み立ててから設置するという性質上、交換・増設の際に手間がかかることや設置費用が高いことがデメリットです。設置後の機能拡張が難しいため、将来拡張する可能性があるならそれを見越して設計しなければなりません。機器の点検・修理に専門知識が必要なこともデメリットとして挙げられます。




■近年はキュービクル式受電設備が主流



近年は、安全性や保守管理の容易さから、キュービクル式受電設備が主流となっています。15年ほど前までは開放型が主流でしたが、保安点検時の感電リスクや環境による故障のリスク、設置コストが高いことでデメリットの多さが目立ちました。そのため、低コストで安全性が高く、故障も比較的しにくいキュービクル式が選ばれることが増えています。開放型の高圧受電設備を利用している場合は、一度キュービクル式への変更を検討してみることをおすすめします。まずは専門業者に相談し、どちらが適しているのかチェックしてもらいましょう。




■受電設備、いつまでも使い続けられる?



家電と同様、受電設備にも耐用年数があります。どんなに丁寧にメンテナンスをしても、部品の製造終了や技術革新によって、いずれは交換が必要となります。部品の製造終了や技術革新によって、古い設備は効率が悪くなったり、安全性が低下したりする可能性があります。そのため、耐用年数を目安に交換を検討する必要があります。


・基本的には15年


受電設備の機器類は、法定耐用年数15年を迎えます。定期的なメンテナンスで延命も可能ですが、近年は省エネ性に優れた機器が次々と開発されています。15年経過後の選択肢は2つで、

メンテナンスを続けながら使用を継続または新しい機器に交換です。どちらを選ぶべきか、ランニングコストを比較検討しましょう。


・計器用変圧器VTは25年


受電設備の機器類は、法定耐用年数15年ですが、計器用変圧器VTは25年です。高電圧を制御回路で使いやすい電圧に変換する重要な機器ですが、いつ交換すべきか迷う方も多いのではないでしょうか。交換時期を考えるポイントは、25年経過後の状態やランニングコストになります。設置場所や使用状況に応じた最適な交換時期の判断が必要なため、設置前に専門業者に確認することが重要です。




■安全第一!受電設備の法定点検でリスクを回避し、安心を手に入れる



受電設備は、高圧電力を扱うため、感電事故などのリスクを伴います。法定点検は、安全性を確保し、事業を継続するために不可欠です。しかし、点検の必要性や重要性を知らず、適切な対応をしていない事業者も多く存在します。受電設備の法定点検について、以下の内容を詳しく解説します。


・なぜ点検が必要なのか?


受電設備は、長年使用することで、部品の劣化や損傷などが発生し、感電事故や火災などのリスクが高まります。法定点検は、これらのリスクを未然に防ぎ、安全性を確保するために必要です。また、点検によって設備の異常を早期発見・早期対応することができ、事業の継続にもつながります。


・どんな項目をチェックするのか?


法定点検では、以下の項目をチェックします。


外観目視点検: 異常な音や振動がないか、損傷や腐食がないかなど

漏えい電流測定: 電気機器から漏えいしている電流がないか

絶縁抵抗測定: 電気機器の絶縁状態が良好か

接地抵抗測定: 接地抵抗が適切な値か

保護継電器設備点検: 保護継電器が正常に動作するか

停電状態での電気設備点検: 停電状態でも安全に作業できるか


点検項目は、設備の種類や規模によって異なります。


・どのくらいの頻度で点検が必要なのか?


月次点検は毎月または隔月(3ヶ月)で、年次点検は 1年に1回です。


・点検を怠った場合のリスク


法定点検を怠った場合、以下のリスクがあります。

電気保安法人認可の取り消し: 電気保安法人の認可が取り消されると、事業を継続することができなくなります。

最大300万円の罰金: 法定点検を怠ると、電気事業法違反として、最大300万円の罰金が課せられる可能性があります。

感電事故などのリスク: 設備の劣化や損傷によって、感電事故や火災などのリスクが高まります。




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