電気代高騰の今、工場の設備を見直して節電を!すぐにできる省エネ対策を紹介

皆さんこんにちは。

神奈川を拠点に、東京・千葉でも電気工事を手掛ける株式会社エビスです。


ここ最近、電気代が高騰しており、2023年4月にも電気料金が値上げされる予定です。一般家庭はもちろんですが、大量の電力を消費する工場においては深刻な問題で、頭を悩ませている担当者様・経営者様も多いでしょう。


このような状況で電気代を削減するためには、まず電気設備の使い方を見直し、場合によっては設備の入れ替えを行うのがおすすめです。ここでは工場における使用電力の内訳や、効果的な節電方法について解説します。




■なぜ電気代が高騰しているの?



最初に、そもそもなぜ電気代が高騰しているのかを確認しておきましょう。原因はいろいろあるのですが、最も大きいのは天然ガス・石油・石炭といった、化石燃料の価格高騰です。


2020年から新型コロナウイルスの感染が拡大し、世界経済は停滞を余儀なくされました。しかし、その後経済活動が再開したことで、化石燃料の需要が急激に増え、エネルギー価格が高騰しています。


また、2022年からはロシアのウクライナ侵攻に対抗し、ヨーロッパ諸国がロシアからの液化天然ガス(LNG)の輸入をやめ、他の国や地域からの調達を始めました。その影響で、国際的にLNGの需要が高まり、価格高騰につながったのです。


そして日本は、発電量の約3/4を火力発電で賄っています。火力発電の燃料として使われる天然ガス・石炭・石油は、大部分を輸入に頼っているため、国際的な価格高騰の影響を大きく受けます。電力会社としては、燃料価格が上がった分を「燃料費調整額」として電気料金に転嫁せざるをえません。結果として、電気代も高騰しているというわけです。




■工場のコストを削減するには、電気設備の見直しが最も効果的です!



工場の経営にはさまざまなコストがかかり、電気代はその1つです。そのため、電気代の高騰を受けて「他のコストを削ればいいのでは?」と考える人もいるでしょう。しかし、結論からいうと、工場のコストで最も削減に取り組みやすいのは、電気代をはじめとする光熱費です。


工場の経営にかかる費用としては、 工場の固定資産税or賃料・材料費・人件費・光熱費といったものがあります。このうち、固定資産税や賃料は支払額が決まっているため、削減はまずできません。材料費を削減したい時は仕入れ先と交渉する必要があり、難易度は高めです。


そして、人件費を削減しようとすると、リストラや減給をすることになります。これは人的資源の減少や従業員のモチベーション低下を招くため、売上が下がるなど悪影響をもたらすおそれがあります。あまりおすすめはできません。


このような事情を考慮すると、やはり光熱費が最も削減しやすいといえます。特に電気代は、削減する方法が複数あるため、最初に削減に取り組むのがおすすめです。


では、どの部分の電気代を削減するのが最も効果的なのでしょうか? 資源エネルギー庁の資料によると、工場などの製造業における消費電力の内訳は、生産設備83%・空調9%・照明8%となっています。割合だけで考えると、生産設備を省エネ性の高いものに交換するのがベストです。


しかし、生産設備は高額なものが多く、入れ替え工事のためには工場を停止しなければならないため、簡単には実現できません。そのため実際には、空調設備・照明設備の入れ替えや使い方の見直しを行うのが、最も取り組みやすい方法だといえます。




■今すぐできる工場の節電対策



空調設備や照明設備の入れ替えには、生産設備ほどではないにしても費用がかかります。そこで、まずは設備の使い方を見直すか、比較的コストがかからない方法から取り組むのがおすすめです。以下の方法ならすぐに実施できるので、ぜひ試してみましょう。



・空調の温度調整


一般的には、空調の設定温度を一度変化させると、電気使用量が約10%減ります。そのため、冷房の設定温度はなるべく高めに、暖房はなるべく低めにすることが大切です。


環境省では、室温の目安として夏は28℃、冬は20℃を推奨しています。誤解されがちですが、これは「実際の室温の目安」であって「空調の設定温度」ではない点に注意が必要です。特に工場では機械の排熱の問題があるため、暑さの厳しい夏場に28℃に設定していても、なかなか室温が下がらないことが多いと思われます。


また、空調の温度調整を優先するあまり、従業員の作業効率が落ちては意味がありません。加えて食品工場などでは、製品の品質保全などの関係上、空調の温度を変えられない場合もあるはずです。業務に支障をきたさない範囲で設定温度を調整するといいでしょう。



・空調のフィルターを清掃する


空調設備を使用していると、内部のフィルターにホコリや汚れが蓄積し、目詰まりを起こします。このような状態では空気の循環がうまくいかず、空調効率が低下して余分な電気代がかかってしまいます。


そのため空調のフィルターは、室内機・室外機ともに定期的に清掃しましょう。空調の性能や施設の規模にもよりますが、フィルターの清掃によって15%程度の電気代を削減できた例もあります。



・透明なカーテンを設置する


透明なビニールカーテンを窓やドアに設置すると、外気が入りにくくなって工場内の温度が上がりにくくなり、空調効率がアップして節電につながります。また、作業スペースをビニールカーテンで仕切り、限定された空間にのみ空調を効かせることで、空調効率を高めるのも有効です。



これらの方法を試しても十分な節電効果が得られない場合は、より本格的な節電対策が必要です。省エネ性能の高い設備への交換などを検討しましょう。




■省エネ性能の高い設備を利用した効果的な節電対策



工場内の設備を省エネ性能の高いものに入れ替えると、効果的に電気代を削減することができます。おすすめの方法を見ていきましょう。



・空調の買い替え


近年の空調設備の省エネ性能は格段にアップしており、古い空調を最新型に買い替えると、大幅な節電効果が見込めます。家庭用のエアコンの話ですが、資源エネルギー庁のデータによれば、10年前のエアコンを最新型に変えると約12%の省エネが可能です。もちろん、工場などで使われる業務用空調も進化しているため、10年以上同じ空調を使っているなら買い替えるといいでしょう。



・LED照明に交換


近年普及しているLED照明は、エネルギー効率が高いのに加えて寿命も長く、抜群の省エネ性能を発揮します。資源エネルギー庁が製造業向けに出している「節電対策メニュー」によると、工場などの白熱灯をLED照明に交換した場合の節電効果は、85%にも及びます。そもそも従来型の照明は生産終了に向かっているので、早めにLEDに切り替えた方がいいでしょう。



・蓄電池の活用によるデマンドコントロール


電力を蓄えておける蓄電池も、実は電気代削減に活用できます。なぜなら、一般的に高圧受電をしている工場の契約電力は、過去12ヶ月間の最大デマンド値(最大需要電力)をもとに決まるからです。デマンド値とは、30分間(毎時0分~30分、30分~60分)の平均使用電力のことを指します。


もし一瞬でも消費電力の大きい時間帯があれば、それをもとに向こう12ヶ月間の契約電力=基本料金が決まってしまいます。仮にその後節電に努めたとしても、基本料金が高くなった分だけ余計な電気代を支払うことになるでしょう。


そこで、あらかじめ蓄電池に電気を貯めておき、電力消費がピークになる時間帯や設定した電力量を超えそうな場合に使用します(ピークシフト)。こうすれば最大デマンド値を抑えられるので、基本料金が安くなるのです。蓄電池によっては「ピークカット機能」が搭載されており、設定した電力量を超えそうな場合に自動で放電してくれます。




■蓄電池を導入するなら、太陽光発電との併用がおすすめ



節電のために蓄電池を導入する時は、太陽光発電システムも併せて導入するのがおすすめです。これらは単独で使っても多くのメリットがありますが、併用することでさらに大きな効果を生み出します。


太陽光発電は必要な電力を自社で賄うことができ、エネルギー価格高騰の影響も受けないのが魅力ですが、天候が悪い日は十分な発電ができません。電力消費のピーク時に太陽光発電を行い、デマンドコントロールをしようとしても、天候が悪ければ不可能なのです。また、作った電力をすぐに消費するか、売電しなければならないという問題もあります。


しかし、蓄電池を併用すれば、太陽光発電で生み出した電気を貯めておくことができます。それを使えば、雨天時や夜間でも最大需要電力を抑えられるのです。元が太陽光発電で作った電気ですから、電気代もかかりません。蓄電池単独で使用するよりも、さらにお得になります。


もちろん、蓄電池や太陽光発電システムの導入にはまとまった費用がかかりますが、長期的に見ると総コストを抑えられるケースがほとんどです。大幅な経費削減が見込まれるので、ぜひ導入を検討してみてください。




■新しい設備の導入では補助金・助成金を活用しましょう!



新しい設備の導入にはまとまった費用がかかるため、電気代削減につながるとわかっていても、導入に踏み切れないことも多いでしょう。そのような時は、国や自治体の補助金・助成金制度を活用するのがおすすめです。


エビスのある神奈川県だと、令和4年度は「中小規模事業者等省エネルギー設備導入支援補助金」が実施され、LED照明設備の導入や高効率空調機への更新など、事業所における省エネ対策事業を行うと補助金を受け取ることができました。令和5年の予定はまだ不明ですが、何らかの補助金制度が実施される可能性は高いと思われます。


近年では各自治体がいろいろな制度を打ち出しているので、工場の設備を更新するなら、まず地元の補助金の情報を調べておくのがおすすめです。補助金を最大限に活用すれば、設備の導入・入れ替えコストが抑えられ、お得に節電対策ができるでしょう。




■神奈川の電気工事ならエビスにご相談ください!



電気代の高騰は当面続くと考えられるため、工場における節電対策は必要不可欠な課題となっています。まずは電気設備の使い方を見直し、それでも十分な節電ができなければ、電気設備の新規導入や入れ替えを検討するのがおすすめです。費用面の不安がある時は補助金制度も活用できます。工場の安定した経営のためにも、この機会に電気設備を更新してみてはいかがでしょうか。


神奈川県を拠点に活動するエビスは、地元密着型の電気工事会社です。新築住宅の電気工事から工場・オフィスなどの工事まで、物件の規模や内容を問わず、さまざまな電気工事に対応しております。経験豊富なベテラン職人がそろっておりますので、どのような工事も安心してご依頼いただけます。節電対策をはじめ、電気設備に関するお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。


また、現在エビスでは業績好調につき、即戦力として働いていただける電気工事・現場管理業務の経験者を募集しております。3年以上の現場経験がある方、特にS造・RC造の現場の経験者を歓迎いたします。


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