蓄電池の導入どうする?太陽光発電システムと併せて使用すれば節電対策になるかも?! 

皆さんこんにちは。神奈川を拠点に、東京・千葉でも電気工事を手掛ける株式会社エビスです。


2050年カーボンニュートラル」への取組で、太陽光発電の需要は依然として高まっています。

太陽光発電は、発電時に二酸化炭素を発電させない地球にやさしい発電手段です。2020年時点で国内総発電量の8.5%を担っており、その後も発電量、発電割合ともに年々増加しています。


一般家庭へ太陽光発電システムを導入すると、自宅で使う電力を発電し、余った分を売電することが主流です。しかし、電気料金の高騰や10年間の余剰電力買取期間終了に伴い、売電せずにできる限り自家消費で利用したいとの需要が増えています。


「発電のできない日没後や発電量の減少する曇りの日や雨の日も自宅で発電した電気を使いたい」といったニーズに応えられるのが蓄電池です。


蓄電池とはどういったものか、設置費用や設置するメリット、後付けはできるかなどについて解説します。




■よく聞く蓄電池とは?



蓄電池とは、充電式電池とも呼ばれる電気を蓄えることのできる装置です。太陽光で発電した電気や電力会社から供給されている電気を貯めて使うことができます。身近なものでいうと、スマートフォンやノートパソコンにも使われています。


ここでは、電気を貯めておけば停電時でも、家の中で電気が使用できる家庭用蓄電池について解説します。

家庭用蓄電池の主流は、リチウムイオン電池です。リチウムイオンが電極間を移動することで電気を蓄えたり、放出したりします。小型なタイプでも大容量で、エネルギー密度や出力、寿命などの性能の高さが特徴です。


家庭用蓄電池として使われている蓄電池は、2種類に分けられます。


①据え置き型の蓄電池・・・普段は生活で使用する電力を貯めて、停電時には貯めた電力を放電するタイプ。

②移動式蓄電池・・・非常用や緊急時の一時利用に使われるタイプ。




■蓄電池の導入費用は高いって本当?!



蓄電池を導入するには補助金を利用しても100万円以上の費用がかかることも多くあります。それに加えて蓄電池は10年~15年ほどで寿命を迎えます。

一見、元がとれないように感じますが、現状をふまえると各家庭の電気消費量によっては、設置費用を回収できる可能性も低くありません。その理由は下記の通りです。


・電気料金の高騰が続き、今後も上がり続けることが想定できること

・再エネ賦課金が年々上昇しているが、太陽光発電の自家消費分には再エネ賦課金がかからないこと

・日常時の効率的な使用方法を徹底すると電気料金を大幅に節約できること

・緊急電源としての安心感を得られること




■蓄電池は太陽光発電と組み合わせて導入するといい?



太陽光発電を導入すると、日中に発電した電気のうち、使い切らずに余った電気を蓄電池に貯めることができます。貯めた分を、夜間や早朝の発電ができない時間に放電することで、電力会社から買いとる電気量を減らすことができるため、電気料金の節約と節電が可能です。また、蓄電池が満杯になってしまった場合は、あふれた分だけ売電へ回すこともできるので、無駄なく電気を利用できます。

よって、太陽光発電と蓄電池はとても相性のいい組み合わせといえます。




■蓄電池の具体的なメリットとは?



蓄電池を設置して得られる主なメリットは下記の3つです。



・節電効果


太陽光発電と蓄電池を併用すると、売電時の送電ロスがなくなるので、発電した電力を効率的に使用することができます。

また、蓄電池を設置するとモニターやスマートフォンで使用電力をオンタイムで確認できます。どのくらい使用しているのかをいつでも見られるので、自然と無駄使いを減らす意識を持てるので、節電へ配慮した生活ができます。



・災害・停電時の備え


近年、国内でも災害や事故によって停電に見舞われる事例が増加しており、緊急用電源としても注目されています。停電時には自動的に蓄電システムから給電システムへ切り替わります。電気を使えない状況には大きな不安を伴いますが、蓄電池があれば安心して使用を続けることができます。



・ピークシフトで活用


猛暑日や真冬日でエアコンの稼働量が増えると、電力会社からの電気供給が追い付かない事態も想定されます。そういった事態を避けるためピークシフトが行われます。ピークシフトとは1日の中で電力消費が多い時間帯から電力消費の少ない時間帯へ電力消費を分散させる方法です。

蓄電池を利用したピークシフト活用方法は2種類あります。


① 太陽光発電と併用する・・・太陽光発電で蓄えた電力を消費ピーク時に使用する方法

② 電力会社の夜間電力プランと併用する・・・電気料金の格安な夜間に蓄電池に充電して、

日中に活用する。電気を使っていない時間帯に電力を蓄えておけるので、消費ピーク時に全ての電力を買取する必要がなくなります。


また、電気の基本料金は1年の中で一番電力消費が大きかった30分に合わせて更新されるシステムです。ピークシフトを行うことで消費電力の最大値を下げることができるので、基本料金を抑えることも可能です。




■メリットがあるとデメリットもある?


蓄電池を利用する上で、知っておくべきデメリットについて説明します。



・使える量が限られている


もちろん蓄電できる容量がサイズによりきまっているので、電力が減ったり無くなると再度蓄電する必要があります。



・設置場所をとる


近年、小型化が進んだとはいえ、設置場所の確保が必要です。エアコンの室外機と同じくらいのスペースが必要だとイメージしておきましょう。

故障や性能低下を防ぐためには、高温や低温になりすぎず、風通しの良い結露しない場所が望ましいです。また、台風やゲリラ豪雨による水没対策として、設置場所に基礎を作って高さをあげるなどの対応も必要です。

設置場所が海に近く潮風にさらされる環境や寒冷地の場合、それぞれの環境に特化した商品を選択しましょう。



・寿命がある


蓄電池はスマートフォンのバッテリーと同様に経年劣化します。充電と放電を繰り返すたびに、蓄電容量が徐々に減少します。メーカーによって保証期間や充放電サイクル回数などが違うので、長く適切に使うことができる製品選びが重要です。




■主な設置にかかる費用とは?



蓄電池を自宅に設置する場合、必要な費用は下記の通りです。


・本体価格 蓄電池本体とパワーコンディショナー

・設置費用

・電気系統の工賃


本体代金だけでなく、設置費用、電気工事の費用について見積もりを依頼して、合計金額を

算出してから検討しましょう。

その他、使用期間中の点検や部品交換といったメンテナンスの費用もかかってきます。


蓄電池の購入には、国の補助金である「DER補助金」や地方自治体の補助金が受給できます。目安として、10kWhの容量で30万円程度支給されます。

昨年度は、2回公簿され、2度ともあっという間に予算に達したと話題になりました。今年度は予算アップしていますが、確実に補助金を利用するためには申込期間前に設置計画を進めておきましょう。

DER補助金を利用する場合は、設置してから6年間、電力の需給ひっ迫警報が発令した際に遠隔操作で放電や充電をされることに同意する必要があります。


その他にも各自治体独自の助成金を設定している場合があります。助成金の詳細については、最新情報を逃さないように情報収集を怠らないようにしましょう。




■家庭用蓄電池を後付けすることは可能?



家庭用蓄電池は後付けすることも可能です。

ただし、ソーラーパネルのメーカーや、設置状況、パワーコンディショナーとの相性を確認する必要があります。連携のできない製品を選択してしまうと使えない場合や故障の原因となるので注意しましょう。



・太陽光発電+家庭用蓄電池を後付けパターン


ソーラーパネルと蓄電池を合わせて後付けする場合、ハイブリット型のパワーコンディショナーを設置します。

パワーコンディショナーとは直流の電気と交流の電気を変換する設備です。

電気には、直流の電気と交流の電気があります。発電した電気は直流、家庭内で使用する電気は交流、蓄電池に充電する電気は直流です。



・家庭用蓄電池のみを後付けする方法パターン


蓄電池のみを後付けする場合、蓄電池専用の単機能型パワーコンディショナーを設置します。この場合、太陽光発電システムに触らずにすむので、ハイブリット型に比べ安価で工事も簡単なので、ソーラーパネルや既存のパワーコンディショナーの保証に影響を与えないので、既存のソーラーパネル用のパワーコンディショナーの交換時期まで年数がある場合はおすすめです。ただし、パワーコンディショナー2台分のスペースが必要なことや、変換ロスによって5%ほど電力が減少するといったデメリットもあります。


パワーコンディショナーの状態や設置年数によっては、ハイブリット型のパワーコンディショナーへの交換も検討しましょう。




■こんな方へは蓄電池の導入はオススメ!



下記の条件に当てはまる方は、蓄電池の設置が特におすすめです。



・太陽光発電システムを導入する予定


太陽光発電に蓄電池を組み合わせると、発電した電気を効率よく使用できるのでお勧めです。ソーラーパネル設置の導入を考えている方は、蓄電池の同時設置を検討しましょう。



・オール電化住宅に住んでいる


電気使用量の多くなるオール電化住宅にお住まいの方は、太陽光パネル+蓄電池の設置や夜間電力による充電によって、大幅に電気料金を節約することができます。場合によっては、電気代がかからずにすむ可能性があります。



・昼間外出しがち


日中、電気をほとんど使わない方は、自家消費が少なくなるため発電したほとんどすべてを蓄電できます。蓄電池を設置することで夜間の自家消費に回すことができます。



・災害時に避難所への非難が困難


要介護認定を受けている方や身体の不自由な方や小さな子どもと同居している場合、災害時に避難所への移動が困難です。緊急時でも自宅で電気が使えれば、避難所へ向かわず自宅避難も可能です。特に、医療機器を利用して在宅介護や在宅看護をしている場合でも、電気が使用できれば、そのままの生活を続けることができます。



蓄電池の概要、メリット、設置費用、設置の際の注意点について解説しました。

蓄電池は、電気料金節約、緊急時の電源など多くのメリットを持っており、太陽光発電と併用することで、大きな恩恵を享受することができます。


株式会社エビスは、地元密着型の電気工事会社として、太陽光発電の設置に関するご相談を承ります。その他にも、一般住宅・工場・オフィスなどの電気代高騰に関するお問い合わせなどがございましたら、お気軽にご相談ください。




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